プロ野球ニュース 13年越し連覇、ソフト日本が「金」 苦楽を共にした大エース・上野と“心中采配”宇津木HCが貫いた信念

プロ野球ニュース 13年越し連覇、ソフト日本が「金」 苦楽を共にした大エース・上野と“心中采配”宇津木HCが貫いた信念
https://www.youtube.com/channel/UCvGSd4HiJqSiTamECX5eZDw?sub_confirmation=1 3大会ぶりに復活したソフトボールは27日、横浜スタジアムで決勝が行われ、日本代表が米国代表を2-0で撃破。金メダルに輝いた2008年北京大会以来、13年越しの五輪連覇を達成した。宇津木麗華ヘッドコーチ(58)は、苦楽を共にしてきた大エースの上野由岐子投手(39)=ビックカメラ高崎=を信じ抜く“心中采配”で世界を制した。 (山戸英州)

先発上野は6回のピンチで降板していたが、宇津木ヘッドは最終7回に再びマウンドに送った。今大会通算389球目を捕手の我妻がファウルグラウンドでつかんだ瞬間、ナインがマウンドに駆け寄り、指揮官も上野と涙の抱擁。自然と胴上げの輪ができ、横浜の夜空で3度、宙に舞った。
北京生まれの指揮官は帰化後、選手として2000年シドニー、04年アテネの2大会でメダル獲得に貢献。引退して代表を率いるも一度は身を引いた。東京五輪でソフトボール復活が決まった16年秋に復帰後、一貫してチームの軸を託したのは人気、実力ともにソフト界を引っ張ってきたレジェンドの上野だった。
今大会では将来を見据え、新星・後藤希友投手(20)=トヨタ自動車=を中継ぎで起用して経験を積ませたが、大事な試合の先発は上野にこだわった。一部では世代交代に反するとの声も上がったが、信念は曲げなかった。
「陰の監督ではないけどミーティング後、必ず彼女にしゃべらせる。すると、チームの雰囲気が自然とよくなるのよ」。北京五輪から時が流れ、若い選手たちには「ものすごく純粋で、反発しない部分は指導者として戸惑いを感じている」。一流選手が集まる代表チームでは、首脳陣の言うことを素直に聞くだけでは勝てない。「自発的な一体感が必要」。だからこそ、グラウンドの内外で上野は「どうしても必要だった」。
ソフトボールの復活は今大会限り。28年ロサンゼルス大会での再復活をアピールするうえで、自国開催の今大会は「未来のソフトボール界を占う重要な試合」。開幕から白星続きでも不安は拭えず、試合後に分析や準備を尽くしてベッドで横になっても、気づけば外が明るくなる日々。「ずっと寝られなかったよ」。決勝前夜も睡眠薬を処方されてようやく眠りにつき、大一番に臨んだ。
全競技の先陣を切って開会式前に試合が始まり、「この1週間、怖かった」。そして、最後まで信じ抜いた上野に「神様」と感謝。やっと重い肩の荷を下ろし、視線の先はさらに広がる。「金メダルも大事だけど、私の使命は次の世代にソフトボールを残すこと。もう私の時代は終わり。五輪が終わったら、大好きな巨人の試合も見に行きたいし、ゴルフもやりたい。そして、ソフトボールがもっと広がるように世界を回りたいな」。

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